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執筆者の写真takeshi morio

6月本会議 一般質問

更新日:2023年7月5日

6月は初議会ですが、さっそく一般質問させて頂きました。


一般質問とは議員の想いや政策を自由に市側に質問できる機会で、年4回しかチャンスはありません。


子を育てる1人の親としても以前から気になっている、学校の教職員さんの労働環境改善と子育て支援について質問させて頂きました。


以下、市側との答弁やりとりになります。



1_給食費の公会計化について


【現状の問題】

学校教育の現場を守って下さっている教職員は、慢性的な業務過多で長時間労働の厳しい状況に置かれている。

平均残業は週あたり約24時間、休憩時間が45分取得できているのは小学校2.9%、中学校5.8%* とごくわずかであり、過労死ライン越えの長時間労働が常態化している。 

*22年末の全国の数字


長時間労働は様々な内容の積み重ねだが、その中でも給食費の回収管理・滞納家庭の個別対応のような「教員の本来業務外の仕事」に労力が割かれ、一番大切にすべき「子供と向き合う時間」が削られてしまっている現状がある。


【森尾の想い】

小学校給食の公会計化は公平性・均等性・透明性の確保、管理効率化などメリットは数多いが、何よりも学校の働き方改革を進める事によって教職員が余裕を持つ=子どもの学びの質の向上に繋げられる効果が期待できると考える。




Q:市として公会計化のメリット・デメリットについてそれぞれどのように認識しているのか?


A:

【メリット】

・教職員が担っている給食費徴収、督促等の管理を市に集約することで学校の負担軽減が期待できる   

・給食費の予算・決算・監査等を市の会計制度に基づき執行することで透明性が確保される            

・未納者に対して市が法的措置を講じることが可能になり保護者負担の公平性が期待できる

・納付方法を多様化できることから保護者の利便性が向上する


【デメリット】

・給食費を管理するためのシステムを導入/運用する必要がある(予算が必要)

・給食費賦課徴収等の管理業務の為に市職員補充が必要(管理者が新たに必要)




Q:近隣の厚木・海老名・座間・平塚・秦野など多くの市が公会計化をすでに実施しているが、伊勢原市の今後の計画は?


A:県内の政令市を除く16市の中で公会計を実施しているのは現在10市である。第3期教育振興基本計画実施計画及び第6次行財政改革推進計画アクションプランにより、R7年度まで調査研究→R8年度にシステム構築や条例整備等の準備開始→R9年度に条例議会上程、システム完成、保護者説明→R10年度に導入を行う計画となっている。




Q:学校では給食費の外に教材費やPTA会費等の費用を徴収している。教材費なども一緒に公会計化を実施した町田市・三鷹市や、PTA費も公会計化した富士市など、他市の好事例の確認などを行っているか?

A:給食費が公会計化された後でも、教材費等の費用徴収の負担が学校に残ることから、各市が導入した教材費の公会計化も参考事例として研究している。しかし、学校給食法に位置づけられた給食費同様に各学校の判断で徴収する教材費を公会計化することについては法令に抵触することがないか研究が必要。特に各学校任意の団体であるPTAの会費徴収については、町田市が対象外としたようにさらなる研究が必要と考えている。




Q:働き方改革が遅々として進まず学校現場が苦しんでいる事や子ども達への影響は?

A:学校における給食費の徴収等に係る業務としては、児童・教職員からの徴収業務/事業者への食材費支払業務/アレルギー対応等の返金業務/未納者への督促業務などがある。これらの業務に1校当たり年間約173時間費やしていると試算しているが、 業務毎に担当を設けているので児童に対する影響は少ないと考えている。




Q:公会計化が実施されるまで5年間もあるのならば、その間、教職員の方々の負担低減を少しでも図れないか?市費でのスクールサポートスタッフの増員・常勤化などで現場に余裕を持たせる事が出来ないか?

A:現在市内小中学校に県費で各校1名のスクールサポートスタッフを配置しているが、最大週19.5時間であることから、学校の規模によっては市費による増員が必要な場面も考えられる。配置ができるように予算調整に努めてゆく。



〆の意見表明

学校現場の負担軽減と同時に、良質で安全な給食を維持する上で公会計化のメリットは多くあると考えます。保護者にとってのデメリットはなく、振り込み方法の多様化など利便性向上効果もあります。現状維持ではなく随時改善させることで、小中学校生徒の保護者、広くは市民に対し「便利で暮らしやすい伊勢原市」とアピールができる機会の一つと考えます。公会計化による教職員の負担軽減はもちろんだが、支払い側⇔行政側の工程の無駄も無くして双方にメリットが出る仕組みとなる事を期待します。

人対人の細やかな対面フォローをこれまで通り大事にしつつ、今後行政のDX化が進んでゆく中では様々なサービスの見える化・簡単アクセス化を図り、便利になる仕組みづくりをお願いいたします。



2_子育て支援について


【現状の問題】

少子高齢時代となり、多くの市町村が住民人口とバランスの確保に向けて質の高い行政サービス・政策を推進している。 中でも話題の中心となるのが少子化対策・子育て支援策の充実であり、各市町村で都市間競争が繰り広げられている。

 

【森尾の想い】

過度な都市間競争は良くないが、より良いサービスを展開する他市に追随・先行しないと市民の不公平感に応えることができず、後進市のレッテルを貼られかねない。自治体間格差が広がれば住む場所を選べない子どもの平等性が損われる。 

人々に選んでもらえる伊勢原市になるために他市に負けない子育て環境を整え魅力を上げ続ける必要があると考える。



Q:公立小中学校の給食費無償化(もしくは補助強化)を検討しているか?

 

A:市で小中学校の給食費を無償化するには年間約3億円程度の予算が必要。無償化の意義は大きいが、保護者負担の在り方は国の責任で検討すべきもので、当面は学校給食法の規定に基づき執り行う。無償化に向けて取り組むよう国に要求しつつ、市の財政状況等を鑑みつつ独自の給食費の負担軽減の在り方についても研究を進める。

 



Q:急激な食材・エネルギー価格高騰が続いているが、保護者の給食費負担に大きな影響がないようにするための今後直近の伊勢原市独自の取り組みは?

例えば物価高騰分援助の継続・第2子無償など、市単独でも実行可能なアイデアは?

 

A:財源確保も不透明なため現時点で具体的に示せないが先進市の手法を研究してゆく。今年度も物価高騰分は国の交付金を活用し保護者負担なく給食運用できる予定だが来年度以降も交付金を活用できるかは現在のところ不明。  

 



Q:伊勢原市では本年10月より小児医療費助成制度は所得制限なしで中学校3年生まで拡充されるが、他市では高校3年生まで拡充されるなど格差は残ったままである

 

A:神奈川県は所得制限と自己負担を設け、通院は小学生以下・入院は中学校卒業までとしているため、自主財源による制度拡充は市町村の負担が大きい。居住地に関係なく同じ制度の下に医療が受けられることが必要であり、医療費助成を全国一律とするよう、継続的に国へ要望している。

 



Q:他市の状況と、今後伊勢原市で高3までの拡充予定についての考えと予算規模は?

 

A:県内では今年度中に助成対象年齢を高3まで拡大する自治体が急増し、これまでの大井/松田の2町から23市町村になった。また、令和6年度中に拡大予定の市を含めると25市町村となり、県内の約8割になる。

伊勢原市で高3まで実施すると、所得制限あり=年間約3300万円/所得制限なし=年間約4700万円の予算が必要。引き続き全国一律の制度とするよう国へ要望しつつ本市の財政状況を把握しながら助成拡大に向けて検討を進める。



〆の意見表明

【給食費援助について】

今後物価が安くなる事は可能性として低いことを鑑み、保護者負担とならない市からの給食費援助の継続とその強化が重要になってくると考えます。予算が足らず、子どもの給食が栄養価不足、味、質の劣化などの制限が起きる事は絶対にあってはなりません。

栄養教諭や給食現場担当さんの懸命な予算のやりくり、創意工夫に頼ることなく学校給食を成り立たせる為に、まずは6月補正予算で承認された給食費援助(1567万円)がその助けになると期待いたします。


【小児医療助成拡大について】

高校生の子をもつ4~50代の保護者は、働き盛りの責任者世代で所得制限が掛かる年収前後という方も少なくありません。

労働意欲が抑えられてしまう「働き損」という概念があってはなりません。所得制限なしでの助成拡大を検討願います。


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